工場の敷地と住宅地が、ほとんど壁一枚で隣り合っているんですよ。豊田自動織機やデンソーの看板が道沿いにふつうに立っていて、その向こうに刈谷市中央図書館があって、週末には子どもとお年寄りが同じ棚の前に立っている。そういう、ものづくりと日常が混ざり合ったぐあいが、この土地のふだんの顔なんだと思います。
刈谷駅の南口に出ると、地上23階のAKARIYAが目に入って、昭和の商店街の記憶と令和の再開発とが、同じ視野の中に収まっているんですよね。名古屋まで在来線で20分ほど、という距離感が、ここをちょうどよく「まちの中心」にも「静かな拠点」にもしている。切り干し大根や芋川うどんといった、土地に根ざした食べものが今もちゃんとあるのも、うれしいことです。
秋葉神社の万燈祭や、市原稲荷神社の大名行列・奴のねりは、江戸の城下町だったころの記憶が、祭りのかたちで毎年よみがえる場面で、工業都市というイメージとの落差が、かえってこの土地をおもしろくしているんだなあと感じます。小堤西池のカキツバタ群落が、沖積平野の水辺にひっそり続いているのも、刈谷の素の表情のひとつです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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