東と西、どちらを向いても海がある、というのは、ちょっとふしぎな立ち位置なんですよね。知多半島のほぼ中央に細長く座るこの町は、伊勢湾と三河湾の両方を日常のなかに持っていて、朝の光の向きによって、海の顔がすこし変わるんです。
上野間港や河和港では、漁のリズムがふだんの暮らしの時計がわりになっていて、その空気は、都市で暮らしてきた人間には、なんだかうれしい速さなんですよ。南知多ビーチランドのイルカショーの声が風に乗ってくる午後があったりして、その音のゆるさが、この町の気分をよく表している気がします。
鵜の山のアカマツ林には、カワウが大きなコロニーをつくっていて、1934年に天然記念物に指定されたというのも、なるほどと思えるほど、ここの自然はずっと前から人間と並んで続いているんですよね。旧内田家住宅のような文化財が点在する土地でもあって、海辺の町でありながら、足もとに積み重なっているものが、すこしずつ見えてくるんです。名鉄の河和駅から名古屋方面へのアクセスもあるから、海を手近に置きながら、都市ともつながっていられる、そういう暮らしのぐあいが、この町にはあります。
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距離は役所からの直線距離です。各館のサイトは2026年9月に確かめています。位置の一部 © OpenStreetMap contributors
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