愛知池のほとりで、オールが水を切る音を聞いたことがあるんですよね。中日本レガッタのシーズンになると、漕艇場に人が集まって、ふだん静かな池の周囲がすこしだけ違う顔になる。
名古屋と豊田のあいだに挟まれたこの町は、どちらかの都市に通いながら、ここで暮らすことを選んだ人たちが積み上げてきた場所です。ららぽーと愛知東郷ができて、買い物もバスも一か所でまとまるようになって、それでも町の西側には1929年開場の名古屋ゴルフ倶楽部・和合コースがそのままの顔で残っている。新しいものと古いものが、おたがいを気にしないように並んでいるのが、なんだかいいんですよね。
祐福寺の境内を歩くと、1191年創建という数字よりも、木の根のかたちや石の苔のほうが先に目に入ってくる。涼松せせらぎの道は愛知用水を蓋した細長い公園で、散歩しながら水の気配だけを感じる、すこしふしぎな道です。図書館は町民会館の3階にあって、蔵書は12万冊を超えていて、PCを広げてもいい。遠くから来た人も、ここに根を張って生きている人も、それぞれの使い方でこの町をうまく使えそうだなあ、とおもいます。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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