黒ボク土という言葉を知ったとき、この土地の北側の畑のことを、すこし別の目で見たくなりました。阿蘇の火山灰が積み重なってできた、あの深みのある黒い土が、合志市の農地を支えているんですよね。アンビー合志の合志物産館「志来菜彩」に並ぶ野菜を手に取ると、土のぐあいがそのまま重さになって伝わってくる気がして、いいなあ、と思うんです。
南の住宅地から熊本電鉄菊池線に乗れば、駅の景色がすこしずつ変わっていく、その移ろいがおもしろくて。竹迫城の跡地である竹迫日吉公園を歩いていると、中世からの積み重ねが、ふだんの散歩道にそっと混じっているのに気づきます。須屋八幡宮で奉納される須屋神楽も、暮らしのそばにあり続けているんですよね。
天文台が併設された西合志図書館で本を開くのも、約6万冊のマンガを抱える合志マンガミュージアムで午後をつぶすのも、どちらも同じ市内にある、というのがすこし、ふしぎでいいなあ、と感じます。新しい住宅地と黒い農地と中世の城郭跡が、ごく自然に隣り合っているこの土地は、どんな文脈で来た人にも、それぞれの居場所を用意してくれているようです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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この地に重なるもの
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