ONSEN
北海道
阿寒湖温泉
Akanko Onsen
温泉
湖のほとりに手をかざすと、ほんのりあたたかい湯気が指のあいだをすり抜けていくんです。阿寒湖温泉は「手湯」の発祥とされていて、ここでは湯にふれることが、あいさつみたいにふだんのことなんだなあ。単純泉と硫黄泉、ふたつの性格のちがう湯が南の畔にこんこんと湧いていて、浸かるたびにからだの力がすこしずつほどけていくのを感じるんです。
松浦武四郎がこの地を訪ねたのはずいぶん昔のことで、山浦旅館が湯宿の灯をともしたのもそこから何十年もあとのこと。時間がゆっくり積もる場所なんですよね。温泉街を歩くと、道内でいちばん大きなアイヌコタンがあって、ムックリの響きやことばが暮らしのなかにちゃんと息づいている。
訪日のひとにとっては、この土地でしか出会えない文化の手ざわりがあるんです。泊まる宿は大きなホテルから気軽な宿までいろいろ選べるけれど、長く暮らす拠点として考えると、ちょっとまだ観光の賑わいが先に立つかもしれない。それでも湖と湯と、ここにしかない時間の層は、何度でも帰りたくなるふしぎな引力を持っているんです。
ONSEN
同じ県の、湯
MATSURI
近くの、祭り