ONSEN 静岡県
熱海温泉
Atami Onsen
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温泉

駅を降りたとたん、足もとに湯が湧いている。家康の湯と名づけられた足湯が、改札を出てすぐのところで旅人を待っているんです。熱海という町は、そういうせっかちな湯なんだなあ。仁賢天皇の時代にはもう海辺に熱い湯が噴き出していたという伝承があって、徳川家康がわざわざ江戸まで湯を運ばせたという話も残っています。

つまり、ここの湯は昔からずっと「届けたくなる湯」だったんですね。坂を上ったり海のほうへ下ったりしながら歩くと、起雲閣のような古い建物がふいに現れて、町の時間が何層にも重なっていることに気づくんです。浸かる場所にも泊まる場所にも困らないけれど、にぎやかさがいつもそばにあるから、ひとりで静かに暮らすための町というよりは、人に会いに来る町なんだと思います。

長く滞在するなら、その人混みごと楽しめる体質がちょっと必要です。訪日の旅人にとっては、東京からすぐ来られて日本の温泉町のにおいをまるごと浴びられる、ふしぎに便利な場所なんですよ。

基本情報
所在静岡県

伊豆半島北東端の相模灘沿いに位置する日本三大温泉の一つ。江戸時代から徳川家康の御用達として知られ、明治以降は文人墨客が多く訪れ、尾崎紅葉『金色夜叉』の舞台として全国的に名を馳せた。

地図
歴史
仁賢天皇時代の開湯伝説, 天平宝字の箱根権現万巻上人伝説, 応安7年(1374年)文人墨客の訪問, 慶長9年(1604年)徳川家康の湯治, 御汲湯, 尾崎紅葉『金色夜叉』, 永井荷風『冬の日』, 林芙美子『うず潮』, 1923年関東大震災, 1936年市営温泉発足
アクセス
熱海駅は伊東線始発駅。国道135号沿い。1934年丹那トンネル開通により東京方面からのアクセスが向上。
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