ONSEN 山形県
あつみ温泉
Atsumi Onsen
TIER2
温泉

川のせせらぎが、まちの時計みたいに動いているんです。温海川のそばに湧くこの湯は、弘法大師が見つけたという伝えがあって、もう千年以上のあいだ、ここでずっと温かいまんまなんですよ。庄内藩の時代には湯役所が置かれて、ひとびとがからだを休めにきた。

与謝野晶子や斎藤茂吉もこの川沿いを歩いたんだなあと思うと、ふしぎな気持ちになります。旅館は七軒、共同浴場が三つ。湯之里公衆浴場のような古びた湯に浸かると、ふだんの時間がすこしだけゆるむのがわかるんです。朝市がひらかれる通りのそばには足湯もあって、泊まるひとも歩くひとも、おなじ湯気をわけあっている。

長く暮らすなら、この「くらしのみちゾーン」と呼ばれる静かな市道のスケールがちょうどいい。多拠点の拠点にするには、生活のリズムがすでにまちに組み込まれているところが頼もしいんですよ。海の向こうから来たひとには、川と湯と朝市だけで一日が成り立つ、この素朴な手ざわりがきっとうれしいはずです。

基本情報
所在山形県

山形県南端の温海川沿いに湧出する温泉地。弘法大師開湯伝説を持ち、江戸時代から庄内藩の湯治場として栄えた。現在は3つの源泉井からポンプアップして給湯し、温泉街には旅館7軒と共同浴場3箇所、足湯3箇所を備える。

地図
歴史
弘法大師開湯伝説(西暦821年), 鎌倉時代後期の湯治場形成, 庄内藩の湯役所設置, 江戸時代の朝市開始(18世紀中盤), 文人墨客の来訪(与謝野晶子、横光利一、斎藤茂吉), 学童集団疎開受け入れ(1944年), 1951年4月24日の大火(251戸焼失)
アクセス
温海川沿いが温泉街。山形県道44号線沿いに立地。温泉街市道は「くらしのみちゾーン」スーパーモデル地区に指定。
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