ONSEN 茨城県
袋田温泉
Fukuroda Onsen
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温泉

渓谷をわたる風が、すこし湿り気をおびて肌にふれるんです。久慈川のほとりに静かに湯がわいている袋田温泉は、平安の頃からひとが浸かってきた、ずいぶん長い時間をもった場所なんですよ。「田毎の湯」と呼ばれたこの湯には、なにか暮らしのそばにある道具のような、ふだん使いのやさしさがあるんだなあ。

思い出浪漫館の渓流露天風呂に身をしずめると、川の音がそのまま湯音にまじって、からだの輪郭がぼんやりしてくるんです。歩いてゆける先には袋田の滝があって、水がただ落ちつづけているだけなのに、ずっと見ていられるふしぎさがある。幕末に関鉄之介がこのあたりに身をひそめていたという話も、山あいの時間の遅さを思うと、なんだか納得してしまうんですよ。

長く泊まるほどに、りんご畑のひろがる山の傾斜や、水郡線ののんびりした揺れが、生活のリズムになじんできます。多拠点の拠点として考えると、東京から遠すぎず近すぎない距離感がちょうどいいんです。海の向こうから来たひとには、滝と湯と渓谷が歩ける範囲にそろっている、その凝縮感がうれしい土地だと思います。

基本情報
所在茨城県

茨城県大子町の奥久慈温泉郷に属する温泉地。平安時代の開湯と伝わり、袋田の滝などの景勝地に囲まれた自然豊かな湯治場として、江戸期から県内で利用されてきた。

地図
歴史
平安時代開湯, 田毎の湯, 長久保赤水, 桜田門外の変, 関鉄之介, 水郡線開通, 海軍指定旅館, 温泉開発
アクセス
水郡線常陸大子駅が1934年全通、沿線各地への交通が開拓された。
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