ONSEN
山形県
肘折温泉
Hijiori Onsen
温泉
銅山川のせせらぎと、朝もやのなかに立ちのぼる湯気。ここではそれが、ふだんの朝の景色なんです。肘折温泉は、カルデラのふところに抱かれるようにして静かに息をしている湯治場で、千二百年ほどまえから人がこの湯に浸かってきたんだなあと思うと、ちょっとくらくらする。
木造の旅館が十数軒、川沿いにぎゅっと寄り添うように並んでいて、横山仁右衛門商店のような古い店もそのまま残っている。泊まるというより「住みつく」感覚がしっくりくる場所で、朝市に出かけて足湯でぼんやりして、という日々がそのまま滞在の質になるんです。
冬にはとんでもない量の雪が降り積もって、街ごとすっぽり白に包まれる。その静けさは、多拠点で暮らす人にとって「なにもしない時間」を手に入れる場所になりうるんですよ。訪日の旅人にとっては、修験の道が残る山あいの湯治文化そのものがふしぎな体験でしょう。
歩くたびに軋む木の廊下、古い郵便局舎の佇まい。この温泉地には、急がない時間だけがたっぷりあるんです。
ONSEN
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