温泉
この場所の物語
千曲川のそばの森の中に、ひっそりと湯が湧いている場所があるんです。国道沿いに看板が出ていて、駅からも歩いてすぐなのに、着いてみるとずいぶん静かで、ちょっと拍子抜けするくらいです。弱アルカリ性の単純温泉は、とがったところがなくて、ただやさしく包まれる感じがするんですよ。
上境温泉株式会社が開業してから三十年ほど、この場所はずっとそういう素朴さのまま、地元の人たちの日常の湯として続いてきたんだなあ。長く滞在する人には、浸かるたびに体が少しずつほぐれていくような時間の使い方ができそうです。生活の拠点としても、飯山の市街地から離れた静けさが、むしろ心地よい距離感になるかもしれません。
訪日客にとっては、観光地らしさのない、ふだんの日本の湯治場をそのまま歩ける場所として、ふしぎな手応えがあると思うんです。食堂でみゆきポークや笹寿司を食べながら、この川沿いの森の時間に、すこしだけ混ざることができます。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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