ONSEN 京都府
木津温泉
Kizu Onsen
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温泉

湯口からとめどなく溢れるぬるめの湯に手をひたすと、ああ、この温泉はせかさないんだなあ、と思うんです。木津温泉は京都府でいちばん古い湯と伝わっていて、奈良時代に行基がシラサギの癒える姿を見て見つけたという話が、近くの中性院にいまも文書として残っているそうなんですよ。

日本海の砂地をすこし内陸へ入ったところに、水田と果樹園がひろがっていて、そのまんなかにぽつんと湯が湧いている。アルカリ性のやわらかな単純泉で、肌にふれるとぬるっとした、ふしぎにやさしい手ざわりがあるんです。静けさがとにかくふかくて、歩いていても自分の足音ばかり聞こえる。

長く泊まって湯治のように暮らすには、このくらいの静かさがちょうどいいんだなあと感じます。多拠点で暮らす人には、ふだんの時間をそのまま持ち込める場所として使えそうです。訪日の旅人にとっては、京都という名前のなかにこういう素朴な田園の湯があること自体が、ちょっとした発見になるんじゃないでしょうか。

浸かって、歩いて、また浸かる。それだけで一日がまるくおさまる温泉なんです。

基本情報
所在京都府

京都府京丹後市網野町にある京都府最古の温泉。日本海沿いの砂地を経た内陸部に位置し、水田や果樹園に囲まれた静かな湯治場。冬季は松葉カニ料理とともに訪れる人が多い。

地図
歴史
奈良時代の行基による発見伝承, 天平の飢饉, シラサギ伝説, 天明年間の井戸掘削, 明治10年の泉質分析, 日露戦争期の療養所構想, 明治44年の高温泉源発見, 大正期の本格再興
アクセス
京都丹後鉄道宮豊線夕日ヶ浦木津温泉駅、国道178号線利用。
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