ONSEN
青森県
大鰐温泉
Owani Onsen
温泉
平川のほとりで湯気がふわっと立ちのぼるのを見ると、ここの温泉は町そのものなんだなあ、と感じるんです。大鰐温泉には共同浴場が九つもあって、どれも地元のひとがふだん使いで浸かっている。源泉を町がまとめて管理しているというのが、なんだかこの土地のまじめさを物語っているようで、ちょっとうれしくなります。
建久の昔に見つかり、津軽藩の初代藩主が眼の病を癒したという伝説も残っていて、湯の歴史はずいぶん長いんですよ。駅前の「鰐come」で気軽にお湯をもらって、そのまま平川沿いをぶらぶら歩く、という時間のつかいかたがここにはよく似合います。
長く泊まるなら、湯治場の静けさがからだにしみてくるはずです。暮らしの拠点として考えると、駅があり、共同浴場があり、寺がある、という小さな町の骨格がしっかりしているのがたのもしい。海の向こうから来た旅人には、観光地の顔をしていない温泉町のすこし地味な素顔こそが、ふしぎと心に残るものなんです。
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