ONSEN 大分県
七里田温泉
Shichirida Onsen
TIER2
温泉

肌にまとわりつく泡の粒が、ちいさな声で話しかけてくるような湯なんです。七里田温泉の下湯、通称「ラムネの湯」に浸かると、からだじゅうに銀色の気泡がびっしりついて、ぬるめの湯がじわじわと内側からあたためてくれるんですよ。奈良時代の『豊後国風土記』にすでに記されていたというから、この泡はずいぶん長いこと、ここで湧きつづけているんだなあ。

もうひとつの「木乃葉の湯」は黄白く濁った熱めの源泉で、ふたつの湯の性格がまるで違うところがふしぎなんです。久住高原の山あいにぽつんとある集落で、歩くと聞こえるのは風と水の音くらい。長く泊まるなら、七里田温泉館のような地元の人たちが静かに守っている場所がちょうどいい。

暮らすように滞在するための余白が、ここにはふだんのまま残っているんですよ。訪日の旅人にとっては、炭酸泉を飲んで、浸かって、からだで味わうという体験そのものが、ほかではなかなか出会えないものだと思うんです。すこし不便で、すこし遠い。

でもその距離が、この湯の静けさをずっと守ってきたんだなあ。

基本情報
所在大分県

大分県竹田市久住町の久住高原エリアに位置する、奈良時代から記録される古湯。炭酸濃度が高く飲泉も可能な泉質で知られ、竹田温泉群の一つとして国民保養温泉地に指定されている。

地図
歴史
弥生時代・古墳時代の集落発生, 『豊後国風土記』記載, 朽網氏の湯治場(鎌倉~戦国時代), 岡藩第3代藩主中川久清の御茶屋(江戸時代), 昭和14年大火災による衰退, 平成10年の施設整備
アクセス
大分県竹田市久住町。大分県道30号庄内久住線沿い。
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