ONSEN 青森県
下風呂温泉
Shimofuro Onsen
TIER2
温泉

潮の気配が、湯のなかにまで届いてくるんです。津軽海峡のすぐそばに湧く下風呂温泉は、アイヌ語の「シュマフラ」という響きをその名に残していて、室町の時代からずっとここにあるんだなあと思うと、ちょっとふしぎな気持ちになります。かつてニシン漁の人たちが体を休めに浸かった湯は、いまも「海峡の湯」で三つの源泉を入り比べできるかたちで残っていて、それぞれの湯の手ざわりがすこしずつ違うんですよ。

二階には井上靖がここで原稿を書いた部屋が再現されていて、海を眺めながら書くというふだんの時間がそのまま置いてあるようでした。長く泊まるなら、漁港のある暮らしのリズムがそのまま自分のリズムになっていく感覚がうれしいところです。

多拠点で暮らす人にとっては、本州のほぼ北の端という距離感そのものが、日常を手放す装置になるんだと思います。訪日の旅人には、夏から秋のイカ釣り漁船の漁り火が海峡にぽつぽつ灯る風景が、この土地だけの記憶として残るはずです。歩いて港へ出て、風に当たって、また湯に戻る。

それだけのことが、ここではちゃんと一日になるんです。

基本情報
所在青森県

青森県下北郡風間浦村にある温泉。津軽海峡に面し、本州で3番目に北に位置する温泉地。室町時代からの歴史を持ち、かつてはニシン漁師の湯治場として栄え、現在はイカ漁の漁港として温泉街を形成している。

地図
歴史
室町時代, 康正年間, 1656年南部重信入湯, 1864年新島襄寄港, 1958年井上靖滞在, アイヌ語シュマフラ, ニシン漁師の湯治場
アクセス
下北郡風間浦村下風呂。津軽海峡沿い。
この場所がある自治体
ONSEN 同じ県の、湯
MATSURI 近くの、祭り