温泉
この場所の物語
橋の下の川沿いに、指だけを温める小さな湯だまりがあるんです。「指湯」という、そのささやかさがなんだかいいなあと思うんですよ。塩釜温泉は、箒川の渓谷に8ヶ所の源泉をもつ、湯量のたっぷりした温泉地です。50℃から70℃という高温の湯は、塩化物泉と炭酸水素塩泉という二つの顔をもっていて、浸かるたびにその濃さをからだで感じるんです。
宿は2軒だけ、という静けさが、ここの時間のながれを決めている気がします。歩くと、小太郎ヶ淵や玉簾の瀬といった渓谷の景色が、ふつうに道のそばにあるんですね。長く泊まる人にとっては、その静けさごと借りてしまえるような場所です。
郵便局もあるから、生活の拠点としてもすこし現実的に考えられる。訪日客には、これほど湯が豊かで、これほど人が少ない場所は、なかなかふしぎな体験になると思うんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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