ONSEN
静岡県
修善寺温泉
Shuzenji Onsen
温泉
川の音が、ずっと低く鳴っているんです。修善寺川のまんなかに据えられた独鈷の湯のそばに立つと、湯気と水音がまざって、ここが温泉街の「へそ」なのだとからだでわかる。弘法大師が湯を開いたという伝説は、もう千年以上この川沿いに染みついていて、修禅寺の境内を歩くと、その時間の厚みがふしぎと足の裏から伝わってくるんですよ。
竹林の小径をぬけて筥湯に浸かると、ふだんの速度がすこしだけゆるむ感じがする。ただ、長く暮らす場所というよりは、やっぱり「訪ねる場所」なんだなあと思います。観るもの、触れるものが濃くて、歩くたびに源氏の物語がふいに顔を出すから、一日ではちょっと足りない。
訪日の人にとっては、東京からの距離の近さと、寺と湯と川がひとつの景色に収まっている密度が、ほかにはない手触りになるんです。泊まるなら、川音の届く部屋がいい。あの低い響きが、この温泉地のいちばんしずかな声だから。
ONSEN
同じ県の、湯
MATSURI
近くの、祭り