ONSEN 福島県
高湯温泉
Takayu Onsen
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温泉

硫黄のにおいが、すこし手前から風にのってくるんです。標高の高いところに、ほんの数軒の宿がならんでいて、それだけでもう「ここは生活の場所じゃなく、湯の場所なんだな」とわかる。高湯温泉の湯は、江戸のころからずっと山の上から自然に流れ落ちてくるもので、人が手を加えて温めたり薄めたりしていないんですよ。

奥羽三高湯のひとつに数えられる、ふしぎなくらい硫黄の濃い白濁の湯に浸かると、からだがちょっとびっくりしたあと、じんわりゆるむ。共同浴場のあったか湯に歩いて寄るのもいいし、六軒しかない宿のどこかに泊まって、ただ静かな時間をすごすのもいい。

観光の名所をまわるような場所ではなくて、むしろ「なにもしない」がふだんの暮らしになる、そういう土地なんです。長く滞在する人には湯治場の空気がそのまま生活のリズムになるし、多拠点で暮らす人にとっては、ここだけの濃密な静けさが拠点の意味をつくる。

訪日の旅人には、磐梯朝日の山懐に抱かれたまま四百年ほど変わらずにある湯の流れそのものが、この国の時間のかたちとして伝わるんだなあと思います。

基本情報
所在福島県

福島県福島市の吾妻連峰標高約750メートルの高地に位置する温泉地。土湯温泉とともに土湯・高湯温泉郷を構成し、奥羽三高湯のひとつとして知られる。全国有数の硫黄成分濃度を誇り、江戸時代から自然流下による引き湯が行われている。

地図
歴史
天文年間発見, 慶長年間湯治場化, 1607年開湯, 1933年海軍軍医学校評価, 1999年国民保養温泉地指定, 2022年地域団体商標登録
アクセス
JR福島駅より西約18km。新幹線福島駅からバスで約40分。東北自動車道福島西ICから乗用車で約30分。
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