ONSEN
北海道
十勝川温泉
Tokachigawa Onsen
温泉
湯の色が、すこし琥珀がかっているんです。それは数百万年という時間をかけて泥炭が変わった亜炭の層から届くもので、植物たちのいのちが溶けた湯、と言ってもいいのかもしれない。十勝川温泉のモール泉は、アイヌの人たちが「薬の湯」と呼んでいたという伝承が残っていて、その呼び名のやわらかさが、ここの空気にそのまま漂っているんだなあ。
十勝川の河畔を歩くと、越冬のハクチョウが静かに降りてくるアクアパークがあって、ふだんの時間がゆっくり流れている感じがするんです。道の駅ガーデンスパ十勝川温泉にはスパやマルシェがまとまっていて、泊まるだけでなく暮らしのリズムをつくりやすい場所になっている。
長く滞在してみると、観光地というより生活の拠点として肌になじむちょうどよさがあるんですよ。訪日の旅人にとっては、鉱物ではなく植物が湯をつくったというふしぎが、ほかの温泉地にはない手触りになるはずです。浸かるたびに、地下深くの時間がからだにしみてくるような、そういう湯なんです。
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