ONSEN 石川県
山中温泉
Yamanaka Onsen
TOP420
温泉

渓谷にかかる橋を渡ると、川の音がふいに近くなるんです。大聖寺川沿いの鶴仙渓を歩いていると、足もとの水音がずっとついてくる。山中温泉というところは、そういう「音の湯」みたいな場所なんだなあと思います。奈良の時代にはじまったとされる湯に、芭蕉が八泊もしたというのは、ここの時間の流れがよほど手放しがたかったのでしょう。

共同浴場の菊の湯に浸かると、九谷焼のタイルが壁にあって、湯けむりの向こうにこの土地の縁起絵巻がぼんやり浮かぶんです。ゆげ街道をすこし歩けば山中漆器の店があり、ふだん使いの椀にふれることもできます。長く泊まろうとすると、街のサイズがちょうどいいようで、ちょっと物足りないようで、そのあいだを行ったり来たりする感じがあります。

暮らしの拠点にするには山あいの静かさと引き換えに覚悟がいるけれど、その覚悟ごとたのしめるひとには合うんです。訪日の旅人にとっては、漆の手仕事と湯と渓谷が一本の道でつながっている、そのまとまりがふしぎに心地よいはずです。

基本情報
所在石川県

石川県加賀市の山間部にある古湯で、加賀温泉郷の中核。松尾芭蕉が「扶桑三名泉」と称し、大聖寺川の渓谷沿いに旅館が立ち並び、山中漆器の産地として知られる。

地図
歴史
奈良時代開湯伝説, 行基, 白鷺伝説, 文治年間再興, 松尾芭蕉八泊, 奥の細道, 新家熊吉自転車リム, 山中温泉縁起絵巻
アクセス
加賀市の旧山中町。国道364号沿い。
この場所がある自治体
ONSEN 同じ県の、湯
MATSURI 近くの、祭り