ONSEN
長野県
湯田中温泉
Yudanaka Onsen
温泉
駅を降りて数歩あるくと、もう湯の気配がするんです。湯田中温泉というのは、そういうちかさにある場所なんですよ。七世紀に僧智由がみつけたと伝わる湯は「養遐齢」、つまり長生きの湯という別名をもっていて、ずいぶんながいあいだ、ひとの暮らしのそばにあったんだなあと思います。
共同浴場の大湯は、番付で東の横綱に選ばれたことがあるほどで、浸かるとからだがゆるむ、ただそれだけのことがふかく感じられるんです。夜間瀬川沿いの高台にひろがる温泉街は、みやげ物屋や食事どころがぽつぽつとあって、ふだんの散歩のようにあるける距離感がちょうどいい。
長く泊まるには、この静けさと生活のにおいが両方あることが大事で、湯田中にはそれがそろっています。多拠点の拠点として考えると、駅がすぐそばにあるというのは、ちょっとうれしい条件なんですよ。海の向こうからやってきた人には、湯治という時間の使いかたそのものがふしぎで新しい体験になるはずです。
弥勒石仏のまえを通りすぎるとき、この湯がかさねてきた時間のぶあつさに、すこしだけ触れるような気がするんです。
ONSEN
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