ONSEN
京都府
夕日ヶ浦温泉
Yuhigaura Onsen
温泉
砂を踏むと、すこしだけ足が沈むんです。海岸から内陸へ歩いて数分、松林のなかに宿が点々と並んでいる。夕日ヶ浦温泉というのは、その名のとおり、浜詰海岸に沈む夕陽をまるごと抱えた温泉地なんですよ。湯の歴史はそう古くなくて、深い砂丘の地下から掘り当てたアルカリ性の湯が、肌をやわらかく包むので「美人の湯」と呼ばれるようになったんだなあ。
四十四軒もの旅館や民宿がひしめいているのに、砂丘の松林がそれぞれの宿をゆるく隔てていて、ふだんの暮らしみたいな静けさがあるんです。長く泊まるなら、砂風呂で汗をかいてから湯に浸かる、その繰り返しの日々がちょうどいい。多拠点の拠点として考えると、大阪からの直行バスがあるぶん、都市とのつながりが途切れないのがうれしい。
訪日の旅人には、琴引浜の鳴き砂を踏む体験がこの土地だけの手ざわりになるはずです。夕方、浜に出て空が燃えるのをぼんやり眺めていると、時間がとろりと溶けていくんですよ。
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