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この場所の物語
フェリーとしまが週に二度、鹿児島港から南へ南へと島を渡っていく。トカラ列島という細長い海の村は、口之島から横当島まで連なっていて、船でしかたどり着けないんですよね。船の時間が、そのまま暮らしの時間になっている、そんなぐあいの土地なんです。
小宝島の海辺には湯泊温泉が自噴していて、サンゴ礁の縁から湯気がたっている。野趣のある天然湯にふだん着のまま入る、というのは、すこしふしぎな感覚で、湯と海のあいだに境目がない。前籠港や小宝島港のように、抜港もある小さな港が島ごとにあって、船が来る日と来ない日で一日のかたちが変わるんだなあ、と思う。
口之島の原生林には野生化した口之島牛が棲んでいて、宝島には平家落人やキャプテンキッドの財宝伝説が残っている。イギリス坂という地名や、サバクと呼ばれる海浜砂丘の名前を聞くだけで、ここが世界のどんな地図にも収まりにくい場所なのだと分かる。口之島牛やトカラ牛の畜産、漁、ダイビング、そういうふだんの仕事のかたわらに、海賊譚と温泉がふつうに並んでいる。それがこの島々のいいところなんですよね。
宝島に泊まる
ONSEN
この地域の温泉
この場所の中身
島の上にあるもの
- 小宝島
温泉