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この場所の物語
港から船で二十五分、急な斜面に家々がぎっしりと張りついた島影が見えてくるんです。保戸島の集落は、平地が乏しいぶん建物が縦に重なって、地中海の漁港のような景色になっている。日本一狭いと言われる県道がそのあいだを縫っていて、歩いているだけで、人の暮らしと地形がぴったり噛み合っているのがわかります。
遠洋漁業の基地として、マグロを追う船が長いあいだ出入りしてきた島で、漁業漁村の歴史文化財百選にも選ばれているんですよね。柳田國男が『海南小記』で描いたのも、こういう海と斜面の手ざわりだったのかもしれません。
遠見山のてっぺんから見下ろせば、豊後水道がひらけていて、日豊海岸国定公園の一部に組み込まれた島の輪郭が、ふしぎなくらい小さい。一日六便の定期船で通うふだんの時間と、ここでしか見られない斜面の景観が、同じ場所に重なってあるんです。
保戸島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 日豊海岸
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