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この場所の物語
北木石、と声に出すと、ちょっと硬くて、すこし湿った響きがあるんですよね。笠岡の港から船が出ていて、笠岡諸島の島々へと人や荷物が運ばれていく。住吉港のあたりには、海運と採石でつないできた時間が、いまもふだんの景色として続いているんだなあと思います。
本町通り商店街の土曜夜市や、金浦魚市場のおしぐらんご、白石踊といった行事の名前を並べていくと、暮らしのなかに祭りがちゃんと組み込まれている土地なんだということが伝わってきます。シャコ丼の店にふらっと入って、地元のシャコを食べる、というのは、その日の予定をひとつ持っているだけで一日が満ちる気がするんです。長く居るなら、笠岡湾干拓地のひまわりや、古城山公園の小さな丘の景色が、季節ごとの目印になってくれそうですね。
北木島へ渡って、北木石記念室で石切り道具を眺めると、この島が何で成り立ってきたのかが、すこしずつ手のひらに乗ってくる。とと道や石見銀山街道といった古い道の名前が残っているのも、外から来た人にはふしぎなうれしさがあると思うんです。海と石と街道、その三つが重なる港町で、ふだんの時間をすこし長めにとってみる、というのはいいなあと感じます。
北木島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 瀬戸内海
自然公園