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この場所の物語
ハングル併記の標識が、国道沿いにふっと現れるんですよね。海の向こうがすぐ大陸という距離感が、ふだんの買い物や散歩のなかにも、すこしふしぎな緊張感として混ざってくる。対州そばの黒っぽい麺をすすっていると、この島がずっと大陸との行き来の窓口だったことが、舌のほうから伝わってくるような気がするんです。
浅茅湾のリアスの奥は、真珠の養殖筏が静かに浮かんでいて、和多都美神社の海中鳥居が潮の満ち引きで姿を変える。白嶽や龍良山の原生林が島の背骨のように続いていて、面積の大半が山林という地形が、ふだんの暮らしにそのまま濃い緑として迫ってくる。
万松院に残る宗家の菩提寺の気配、朝鮮通信使行列を再ねる厳原港まつりのにぎわい。歴史の層がいくつも重なっているのに、生活はちゃんと地続きで、対馬とんちゃんやかすまきのような家庭の味が、ふだんの食卓に並んでいる。長く滞在しても、何度か行き来しても、海の向こうから訪ねてきても、それぞれの時間の長さで島の手触りが少しずつちがって見える、そんな場所なんです。
対馬島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 壱岐対馬
- 対馬島
自然公園
離島