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この場所の物語
起点を示す古い駅名標と、潮の匂いがまじる構内の空気。多度津駅は土讃線の起点で、四国鉄道発祥の地と呼ばれてきた場所なんですよね。改札を出ると造船の町らしい低い屋根並みが続き、線路と港がすぐ近くで隣り合っている、そのつくりがちょっとふしぎでいいんです。ふだんの買い物や図書館での時間も、すこし歩けば海に出てしまう、そんな距離感の町なんです。
多度津港からフェリーに乗ると、塩飽諸島の高見島や佐柳島へ渡れる。高見島の龍王宮の社叢や、佐柳島に残る両墓制の埋め墓は、島の人たちが長く守ってきた暮らしの形そのもので、観光地というよりも生活の続きとして残っているのがいいなあと思う。咸臨丸の水夫を弔った乗蓮寺の墓石も、塩飽水軍の歴史と地続きで、海を渡って働いてきた人々の手触りがある。
少林寺拳法の総本山がここに置かれていることも、町の落ち着いた佇まいと不思議とよく合っている。イカナゴやタコ、花きを育てる土地に、鉄道と海運と武道の総本部が同居している。ひとつの町に複数の核があるというのは、しばらく住んでみたい人にも、拠点を増やしたい人にも、はじめて訪れる人にも、それぞれ別の入口を用意してくれるのだと思う。
高見島に泊まる
この場所の中身
島の上にあるもの
- 瀬戸内海
- 志々島
- 粟島
- 高見島
自然公園
離島