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田代島(猫の島)
猫が、人より多い島がある。 宮城・田代島。石巻港からフェリーで50分。人口は数十人。猫は、それと同じくらいいる。 漁師が猫を大切にしてきた島だ。猫が魚の群れを教えてくれるという…
猫が、人より多い島がある。
宮城・田代島。石巻港からフェリーで50分。人口は数十人。猫は、それと同じくらいいる。
漁師が猫を大切にしてきた島だ。猫が魚の群れを教えてくれるという言い伝えがある。島に猫の神社がある。犬は連れて来られない。
猫は観光客を怖がらない。
逃げない。近づいてくる。
なでさせてくれる。
2011年の津波で大きな被害を受けた。それでも島の人たちは戻ってきた。猫たちも、ここにいる。
なぜ猫のいる島に人が来るのか。
理由を聞かれると、うまく答えられない。
でも来てみると、わかる。
猫が、この島の主人だ。
人間は、おじゃまをしている。
そのくらいの気持ちで、来てほしい。
港の桟橋に船が着くと、まず猫が出迎えてくれる、という話を聞いたことがあるんです。仁斗田と大泊、ふたつの集落しかない田代島は、牡鹿半島の沖にぽつんと浮かぶ小さな島で、歩いて二、三時間で一周できてしまうぐらいの大きさなんですよね。カキやアワビ、ヒジキを採る沿岸漁業と養殖が、ふだんの暮らしを支えています。
三石観音には海から上がった観音様の民話が伝わっていて、平塚八太夫の土蔵が江戸時代の交易の名残りをいまも留めている。縄文の貝塚から流刑地の記憶までを重ねた島に、漫画家がデザインしたロッジが点在するマンガアイランドがあるのも、ちょっとふしぎな取り合わせなんです。
数日いるだけでは足りなくて、何度か通ううちにわかってくるたぐいの島だと思います。船の便は限られていて、一日に三便から五便。だからこそ、凪の間で磯を覗いたり、二鬼城崎灯台まで歩いたりする時間が、ゆっくりと自分のものになっていく。遠くから訪れる人にとっては、猫と漁港と常緑樹のタブノキが同居するこの感じが、ほかでは出会いにくい手触りなんじゃないかなあ。
田代島に泊まる
島の上にあるもの
- 南三陸金華山
- 仁斗田
- 大泊
- 田代島