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この場所の物語
蒲江港から船で三十分ほど、屋形島を経由してたどり着く小さな島には、人より猫のほうがずっと多く暮らしているんです。砂州でつながったひょうたんの形をした島で、家々のあいだを猫が歩き、沿岸にはサンゴ礁の海中公園が広がっている。深島みそという、島で仕込まれてきた味噌があって、それが今もこの島の手仕事として続いているのが、いいなあと思うんですよね。
宿はinnえびすねこがひとつ、ごはんはcafeむぎがひとつ。それだけの場所で何日かを過ごすというのは、ふだんの暮らしの輪郭がすこし変わる感じがする。朝に湯をわかして、昼にシュノーケルで海をのぞいて、夕方には集会所のあたりで猫とすれちがう、というような時間の流れ方になる。
日豊海岸国定公園のいちばん南の端で、深島ねこ図鑑なんてものまでつくられている島の佇まいは、はじめて日本を旅する人にとっても、ちょっとふしぎな手触りに映るんじゃないかと思うんです。
深島に泊まる
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