2件の予定
八戸三社大祭
3つの神社が、年に一度だけ合流する。 青森・八戸。太平洋に面した漁港の街。毎年8月の初め、長者山新羅神社、神明宮、おがみ神社の3社が合同で大祭を行う。 山車行列が、街を動く。豪…
3つの神社が、年に一度だけ合流する。
青森・八戸。太平洋に面した漁港の街。毎年8月の初め、長者山新羅神社、神明宮、おがみ神社の3社が合同で大祭を行う。
山車行列が、街を動く。豪華な人形を乗せた山車が、27台以上。その迫力は、ねぶた祭りとは違う種類の美しさだ。
ねぶたは光。三社大祭は、造形だ。
ユネスコの無形文化遺産。でも八戸の人たちにとっては、毎年の祭りだ。何百年も続いてきた。来年も、続く。
八戸は、観光客が少ない。でも新幹線で東京から2時間半。もっと知られるべき街だ。
三社が揃う夜、八戸が輝く。
八戸えんぶり
春を、呼びに行く。 2月17日から20日、青森・八戸。 えんぶり。 馬の頭をかたどった烏帽子をかぶった太夫が、 頭を大きく振り、地を摺るように舞う豊作祈願の田楽。 朳(えぶり)と…
春を、呼びに行く。
2月17日から20日、青森・八戸。
えんぶり。
馬の頭をかたどった烏帽子をかぶった太夫が、
頭を大きく振り、地を摺るように舞う豊作祈願の田楽。
朳(えぶり)という農具の名が、
そのまま芸能の名になった。
雪のなか、30を超えるえんぶり組が町を練る。
朝の一斉摺り、日中の門付け、
夜は、かがり火えんぶり。
炎のそばで舞う姿に、冬のいちばん深い美しさが出る。
合間には子どもたちの祝福芸。松の舞、えんこえんこ。
800年続くとされる、国の重要無形民俗文化財。
八戸の冬は長い。
だから春を待つのではなく、呼びに行く。
烏帽子の前立てには、牡丹や椿の造花。
組ごとに意匠が違い、見比べるのも楽しみのうち。
摺りには「どうさいえんぶり」と「ながえんぶり」の二流あり、
テンポの速さで見分けられる。
屋台にはせんべい汁の湯気。
寒さと湯気も、この祭りの一部。
会場は市中心街と長者山新羅神社。
2月の八戸は氷点下。
防寒は、やりすぎくらいでちょうどいい。
館鼻岸壁の朝市に並ぶ露店を、まだ空が白むうちに歩いていると、この街の体温みたいなものが伝わってくるんですよね。八戸港から上がるイカやサバが、生活のすぐそばにある。それが、ふだんの買い物の感覚のまま続いているのが、いいなあと思うんです。
根城の城跡や縄文の国宝合掌土偶を持つ八戸市博物館は、歴史の厚みを静かに保ちながら、街の日常と地続きに存在しています。八戸ブックセンターのような公営の本屋が2016年に生まれたことも、この街が「ふだんの暮らしの質」をちゃんと考えているんだなあ、という感じがして、すこし、うれしくなります。東北新幹線で東京とつながっているから、仕事の拠点として使いながら、みろく横丁で南部煎餅の入ったせんべい汁を夜にすする、という暮らし方もできるんです。
種差海岸の芝生の上に立つと、三陸の海が目の前にあって、絵の題材になった景色がそのまま残っています。工業港としての八戸港と、縄文から続く歴史と、氷都と呼ばれるスケートの文化が、ひとつの街の中に重なっているのが、ちょっとふしぎでいいなあと思うところです。
青森県八戸市に泊まる