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成田祇園祭
参道を、山車が駆ける。 成田祇園祭。七月、成田山新勝寺の門前で、十台の山車と屋台が練り歩く。坂の多い参道を、引いて、上って、下る。 三百年以上の歴史。不動明王に、五穀豊穣と所願成就…
参道を、山車が駆ける。
成田祇園祭。七月、成田山新勝寺の門前で、十台の山車と屋台が練り歩く。坂の多い参道を、引いて、上って、下る。
三百年以上の歴史。不動明王に、五穀豊穣と所願成就を祈る祭り。寺の祭礼でありながら、町の祭りでもある。
クライマックスは、総引き。十台が、新勝寺の大本堂前に集結する。坂を一気に駆け上がる。囃子が最高潮になり、観客がどよめく。
汗が、飛ぶ。
真夏の昼間、急坂を山車が上がる。引き手の体力勝負。見ているこちらも、力が入る。門前町の、熱い三日間。成田山の、夏の顔。
参道の石畳を歩いていると、鰻を焼く煙がすっとのぼってきて、千年ぶんの昼ごはんのにおいがするんですよね。川豊の店先で職人が鰻を割いている、その手つきと速さを、旅のはじめに見てしまうと、ちょっとこの町のことが好きになるんです。新勝寺の境内は23万平方メートルもあって、重要文化財の建物がふだんの参拝道にそのまま並んでいる、そういうぐあいで歴史が日常に溶けこんでいる場所です。
それでいて、空港へは車で出られて、世界中からの荷物が成田市公設地方卸売市場を通って国内へ散っていく、そんな動きが北総台地の丘の下でずっと続いているんです。リモートで仕事をしながら、朝に参道を散歩して、夜は地酒を開ける、というふだんの暮らしが、ここではわりと自然につくれそうだなあと思います。
成田ゆめ牧場では蒸気機関車が動態保存されていて、それが空港の管制塔と同じ空の下にある、というのが、この土地のすこしふしぎでいいところで、訪日客がはじめて降り立った場所が、門前町の入口でもある、というのも、なかなかおもしろい偶然なんですよ。
千葉県成田市に泊まる