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二本松の提灯祭り
提灯に、火が移る。 福島・二本松。秋の夜、七つの町内から太鼓台が繰り出す。一台に、三百あまりの紅提灯。二本松神社のかがり火が、その提灯へ移されると、祭りははじまる。 起源は、約…
提灯に、火が移る。
福島・二本松。秋の夜、七つの町内から太鼓台が繰り出す。一台に、三百あまりの紅提灯。二本松神社のかがり火が、その提灯へ移されると、祭りははじまる。
起源は、約三百七十年前。二本松藩主・丹羽光重公が二本松神社を祀り、領民なら誰でも参拝できるようにした。その感謝が、祭りになった。もとは旧暦八月十五日。大正の大火のあと、十月に移った。
最上部の三角の提灯を「すぎなり」という。高さは、十メートルを超える。金箔漆塗りの太鼓台に、灯がびっしりと並ぶ。若連の掛け声、お囃子、太鼓。三千の灯が、夜空を赤く焦がしながら、市街を練り歩く。
三日間ある。初日は宵祭り。七台が二本松神社に集い、点火し、駅前へ。夜、全町が揃うのはこの日だけだ。二日目は本祭り、神輿渡御。三日目は後祭り。
二本松は、菊人形と霞ヶ城の町。昼は城跡を歩き、夜は提灯を追う。少し足を延ばせば岳温泉がある。
行くなら初日の夜。十月の福島は冷える。厚手を一枚持って、太鼓台が坂を上ってくるのを待つ。灯が近づくにつれ、音が体に届く。
日本三大提灯祭りの一つ。福島県重要無形民俗文化財。
酒蔵の軒が続く通りを歩くと、麹のにおいがすこしだけ鼻をくすぐって、ああ、ここは醸す町なんだなあ、と思うんですよね。二本松は、城下町の骨格をそのまま持ちながら、日本酒造りと二本松家具という手仕事の積み重ねが、ふだんの景色のなかにちゃんと息づいている。
安達太良山の麓には岳温泉があって、山から引かれた湯につかりながら、PCを閉じた夜をゆっくり過ごせる。二本松神社を中心に秋に開かれる提灯祭りや、菊人形の文化は、よそから来た人間にも、「ここに暦がある」という感覚をそっと教えてくれるんです。
玉羊羹を買って、大隣寺の境内をぬけて、二本松城跡の石段をのぼる、そういうひとつながりの半日が、この町の手触りをいちばんよく伝えてくれる気がします。歴史の重さを押しつけてこないで、日常のそばにそっと置いてある、というぐあいが、いいんですよね。
福島県二本松市に泊まる
この地に重なるもの
- 二本松城跡
- 旧二本松藩戒石銘碑
- おくのほそ道の風景地 草加松原 ガンマンガ淵(慈雲寺境内) 八幡宮(那須神社境内) 殺生石 遊行柳(清水流るゝの柳) 黒塚の岩屋 武隈の松 つゝじが岡及び天神の御社 木の下及び薬師堂 壺碑(つぼの石ぶみ) 興井 末の松山 籬が島 金鶏山 高館 さくら山 本合海 三崎(大師崎) 象潟及び汐越 親しらず 有磯海 那谷寺境内(奇石) 道明が淵(山中の温泉) 湯尾峠 けいの明神(氣比神宮境内) 大垣船町川湊
- 木幡の大スギ
- 杉沢の大スギ
- 磐梯朝日
- 安達太良山
- 日山
- 二本松
- 安達
- 杉田