ONSEN
宮崎県
京町温泉
Kyomachi Onsen
温泉
湯が降ってきた、という話をきくと、ちょっとふしぎな気持ちになるんです。大正のはじめ、雷が落ちたところから湯が噴き出したのが、この京町温泉のはじまりなんだそうです。空から届いた贈りもののような湯を、盆地のまちはそのまま静かに受けとめて、もう何十年もの時間をかさねてきたんですね。
霧島連山にぐるりと抱かれた加久藤盆地の空気は、どこかゆるやかで、歩いていても急かされる感じがないんだなあ。京町銀天街をぶらぶら抜けて、十兵衛の宿あたりまで足をのばしても、すれちがう時間はふだん着のままなんです。長く滞在するなら、この「何もしなくていい」空気がじわじわと効いてくる。
暮らすように泊まる拠点として、中小の旅館がならぶ規模感がちょうどいいんですよ。道ばたにぽつんと立つ「タノカンサァ」の石像は、土地の人たちが大事にしてきた小さな守り神で、訪日の旅人にはこういう何気ない出会いこそが記憶に残るものなんです。
浸かって、歩いて、また浸かる。それだけの一日が、ここではいちばんぜいたくなんだなあ。
ONSEN
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