ONSEN
島根県
三瓶温泉
Sanbe Onsen
温泉
鉄の匂いがする、とおもったら、湯の花だった。三瓶温泉は、そういう湯なんです。塩化物泉と含鉄泉が混じりあって、湯船のふちに花びらのように成分が積もっている。加熱も加水もせず、そのまま飲める湯が地面からわき出ている場所というのは、ふだんなかなかないんですよね。
亀の湯では昼と夕方で湯の表情がちがって、時間ごとに浸かりにくる人の顔ぶれも変わる。そういうリズムで時間が流れているんです。長く滞在する人には、この湯治場のゆっくりした時間感覚がちょうどよく体になじんでいくとおもう。生活の拠点として考えても、鶴の湯や亀の湯という共同浴場がそこにあることで、ふつうの一日がすこし豊かになる気がするんです。
訪日のお客さんには、昭和の時代からほとんど変わっていないような素朴な佇まいが、かえってふしぎにうれしいものとして映るんじゃないかな。歩くたびに、どこか遠い時間のなかにいるような場所です。
ONSEN
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