1件の予定
河口湖畔の桜と富士
桜と富士を、一度に見たい。 その欲張りを、河口湖はかなえてくれる。北岸に桜並木が続き、その向こうに、雪を残した富士が立つ。湖がもう一つの富士を映して、上下に二つ。桜も、二重になる。…
桜と富士を、一度に見たい。
その欲張りを、河口湖はかなえてくれる。北岸に桜並木が続き、その向こうに、雪を残した富士が立つ。湖がもう一つの富士を映して、上下に二つ。桜も、二重になる。
里より遅い。標高八百メートル、春は控えめに来る。東京の桜が終わったころ、ここはまだこれから。見ごろは四月の半ば過ぎ。ソメイヨシノが中心で、湖畔をぐるりと囲む。
風がやむと、湖面が鏡になる。桜のピンク、富士の白、空の青。三つの色が、水の中でもう一度そろう。シャッターを切る音だけが、岸に響く。
観光地だと、わかっている。バスも来るし、人も多い。世界中から来る。それでも、朝のいちばん静かな時間だけは、誰のものでもない。霧が晴れる、その一瞬を待つ。
湖の水面に富士山が映り込む朝、その静けさはどこかすこし、息を詰めたくなるくらいなんですよね。富士河口湖温泉郷の湯につかりながら、窓の向こうに見える稜線を眺めていると、ふだんの暮らしの速さが、ほんの少しずれていく感じがします。
青木ヶ原樹海は、遊歩道を歩けば、1,200年前の噴火が積み上げた溶岩の上に、今もしっかり根を張った原始林の気配を体で受け取れるんです。富岳風穴の奥に残る天然の氷柱や、西湖コウモリ穴の複雑に入り組んだ洞穴のつくりを見ていると、この大地がどれだけ長い時間をかけて今の顔になったか、なんとなくわかってくる気がします。
河口湖駅を起点に、フォレストモール富士河口湖で日用品を買い足して、精進湖や本栖湖まで足を延ばす、そういうふだんの動線が、ちゃんとここには用意されているんです。富士芝桜まつりや河口湖湖上祭のような祭事が季節ごとに湖畔に立ち上がるのを、ただ見物するのではなく、繰り返し来るうちに「また来た」と思えるようになる、そういう土地なんですよね。
山梨県富士河口湖町に泊まる
この地に重なるもの
- 富士山―信仰の対象と芸術の源泉―
- 富士五湖 山中湖 河口湖 西湖 精進湖 本栖湖
- 富士山原始林及び青木ヶ原樹海
- 富士風穴
- 富岳風穴
- 本栖風穴
- 精進の大スギ
- 船津胎内樹型
- 西湖蝙蝠穴およびコウモリ
- 龍宮洞穴
- 富士御室浅間神社本殿
- 富士箱根伊豆
- 富士河口湖温泉
- 黒岳
- 河口湖
- 富士急ハイランド