ONSEN
宮城県
東鳴子温泉
Higashi-Naruko Onsen
温泉
川のそばに、ちょっと古びた宿がぽつぽつと並んでいるんです。東鳴子温泉というところは、にぎやかな鳴子の中心からすこし離れただけなのに、時間の流れがふっと変わるんですよ。荒雄川の水音を聞きながら歩くと、ここが江戸のころから仙台藩の御殿湯だったことが、なんとなく腑に落ちるんです。
湯はモール泉の性格を持っていて、宿ごとに色も手ざわりもちがうのがふしぎなんだなあ。赤湯、田中温泉と呼ばれる源泉の系統があって、重曹泉がぬるりと肌をつつむ浴槽もあれば、鉄っぽい赤い湯もある。自炊ができる素泊まりの宿が残っているから、一週間、二週間と浸かりつづける暮らしがふだんのこととして成り立つんです。
多拠点で暮らす人にとっては、生活の延長線にそのまま湯がある、という感覚がうれしい場所だと思います。訪日の旅人には、観光の華やかさではなく、日本の湯治という習慣そのものに触れられる静けさがここにはあるんですよ。陸羽東線の東鳴子駅に降りると、もうそこが温泉街の入り口で、よけいな移動がいらないのもいいんです。
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