ONSEN
秋田県
大釜温泉
Okama Onsen
温泉
軒先に足湯がある、というのがいいんですよ。建物に入る前から、もうそこに湯があるんです。大釜温泉旅館は、廃校になった小学校の分校を移築してつくられた一軒宿で、廊下を歩くと、どこかなつかしいような、すこし不思議な気持ちになります。
酸性の湯は、ちょっと肌にきりっとしたものがあって、それが湯治の湯らしい。1962年に開湯して、火事にあって、それでも再建されてきた場所の、しぶとい時間が染み込んでいるようです。長く泊まる人には、その「学校が宿になった」という余白のある空間が、ふだんとは違うリズムを与えてくれると思うんです。
生活の拠点としては不便かもしれないけれど、そのぶん、ここでしか流れない時間があります。訪日客にとっては、廃校と湯治場と山間の一軒宿が重なるという、日本語にしても説明しにくい場所の固有性がある。浸かって、歩いて、足湯に腰を下ろすと、それがわかります。
ONSEN
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