軽食
静岡県 袋井市
袋井のたまごふわふわ
さちとあじ · FOOD & DRINK
出汁に溶き卵を流して蓋をし、泡のまま固める。宿場の朝の膳を写したもの。
この場所の物語
材料は、たまごと出汁だけです。熱い出汁に溶いた卵を流し入れたら、すぐに蓋をしてしまいます。あとは触らずに、泡のまま固まるのを待つんですよ。江戸のころ、東海道の袋井宿にあった大田脇本陣で、泊まり客の朝の膳に出されていたと伝わります。
仙台下向日記という本に、その名が出てくるのだそうです。2006年に、静岡県の袋井市の観光協会が昔の料理本を頼りに作り直しました。運ばれてきた椀を覗くと、白い泡が盛り上がっていて、料理というより気象のように見えます。
匙を入れても、まるで抵抗がありません。口の中ですっと消えて、あとに出汁の匂いだけが残ります。袋井は東海道の53次のちょうど真ん中あたりで、歩き通す道の途中でした。その1週間のうちで、いちばん軽いものだったはずです。200年前の朝も、旅人が同じ町の同じ椀を覗き込んでいたのだと思いました。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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