1件の予定
湘南ひらつか七夕まつり
空が、見えなくなる。 湘南ひらつか七夕。商店街を、巨大な竹飾りが覆い尽くす。大きいものは、十メートル。色とりどりの吹き流しが、頭上で揺れる。 戦後、復興のために始まった。焼け野原か…
空が、見えなくなる。
湘南ひらつか七夕。商店街を、巨大な竹飾りが覆い尽くす。大きいものは、十メートル。色とりどりの吹き流しが、頭上で揺れる。
戦後、復興のために始まった。焼け野原から立ち上がる町が、ひとに来てほしくて、派手な飾りを競った。にぎわいが、ほしかった。
短冊に、願いを書く。竹に結ぶ。子どものころの、あの行事。それが、町ぜんぶの規模になる。
風が吹くと、飾りが鳴る。
紙とビニールの、さらさらという音。何百もの飾りが、いっせいに揺れる。見上げると、色の洪水。下を、人が流れていく。湘南の、夏のはじまり。
平塚漁港に朝の光が落ちる頃、水揚げされたばかりの地魚が並ぶんですよね。相模湾からの風が、そのまま街のなかへ入ってくるような感じで、海と暮らしの距離がとても近い。
JR東海道線の平塚駅を起点に、東京や横浜へ出ることもできるし、国道1号を歩けば平塚宿の記憶がうっすら道に残っていて、五領ヶ台貝塚まで遡れば縄文の時間にまで届いてしまう。この土地は、ふだんの暮らしの地層がとても厚いんです。
湘南ひらつか七夕まつりの時期には、街全体がすこし違う顔をする。でも祭りが終われば、八幡山公園のベンチで本を読む人や、平塚市美術館でワークショップに参加する人の、ゆっくりした時間に戻っていく。相模川と金目川のあいだに広がる平野と、その西に続く大磯丘陵の緑が、ちょうどいいぐあいに街を包んでいて、なんというか、のびのびと地に足がついている感じがするんですよね。
神奈川県平塚市に泊まる