祭事
秋田竿燈まつり
Akita Kanto Festival
祭事 · Festival
夜になると、稲穂が立ちあがる。
秋田の市街地。提灯を米俵に見立て、四十六個を一本の竿に吊るす。一番大きな「大若」で高さ十二メートル、重さ五十キロ。差し手は、それを手のひらに、額に、肩に、腰へと移していく。落とさない。倒さない。風が来ても、こらえる。
もとは、眠気と邪気を払う夏越しの行事だった。豊作を願う祈りが、いつのまにか技になった。二百六十年以上、街の人がこの均衡を受け継いできた。
竿燈は、東北三大祭りのひとつに数えられる。ねぶたの熱狂とも、七夕の華やかさとも違う。ここにあるのは、静かな緊張だ。一本の竿が、たわむまま夜空を泳ぐ。落ちるか、保つか。見上げる人の息が止まる。
灯りの稲穂が揺れる。下から照らされた顔が、みなあかるい。米どころの夏は、こうして夜空に実っている。
ONSEN
同じ県の、湯