祭事
角館 武家屋敷のしだれ桜
Kakunodate Samurai District Weeping Cherries
祭事 · Festival
黒い塀の上から、桜が垂れている。
角館、武家屋敷通り。江戸の町割りが、そのまま残る。黒板塀のあいだに、しだれ桜が四百本。うち百六十本が、国の天然記念物。三百年前、京都から嫁いだ娘が持ってきた苗が始まり、と伝わる。
ソメイヨシノの華やぎとはちがう。枝が低くしだれて、花が地面の近くで揺れる。黒と桃色の対比が、武家町の静けさを際立たせる。風が吹くと、塀ぞいに花のれんが揺れる。手を伸ばせば、届く高さ。
みちのくの小京都、と呼ばれる。桜は、京から来た記憶なのかもしれない。三百年前の里心が、いまも花をつける。
塀の内側では、いまも人が暮らしている。見せるための桜ではなく、暮らしの桜。庭先の、ふだんの春。観光客が去った夕方、町はまた静かになる。
ONSEN
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