温泉
この場所の物語
波の音がそこにある、というのが最初の印象なんです。太平洋に面した磯の地帯に湯が湧いていて、松林ごしに海が見える。浸かりながら水平線を眺めるって、ふだんなかなかできないことですよね。1996年に開湯したこの温泉は、弱アルカリ性の単純冷鉱泉という、すこし静かな素顔をもっています。
東日本大震災の津波被害を受けながら、2013年に営業を再開した太平洋健康センターいわき蟹洗温泉は、その名前を聞くだけで、この土地が抱えてきた時間の重さがじんわり伝わってくるんだなあ。全客室から海が見えるので、泊まって朝を迎えると、そこには海しかない。
長く滞在するほど、その景色が日常になっていく感じがします。訪日客にとっては、松と磯と太平洋という組み合わせが、日本の海辺の素の表情として刺さるはずです。歩くと磯の匂いがして、それだけでもう、ここにいる理由になりますよ。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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