軽食
長野県 伊那市
いなごの佃煮
さちとあじ · FOOD & DRINK
稲の虫を甘辛く煮る。田の害虫を、たんぱく源に変えてきた。
この場所の物語
田を守る仕事が、そのまま食事でした。いなごは稲を食う虫で、それを捕って食べてきたんですよ。害虫を減らすことと、穀物だけでは足りない栄養を取ることが、同時にできました。長野県の伊那谷は海が遠く、虫が貴重なたんぱく源だったのだそうです。
漢字のほうでは稲子と書きます。名のとおり、稲刈りの時季に穫れるんですよ。稲刈りが始まると、手拭いで作った袋を腰に付けて、飛び跳ねるのを捕まえに出ました。子どもでも安全に捕れるので、1970年代あたりまでは、遊びがてら捕って、家ごとに炊く景色があったといいます。
作り方は、熱い湯に通してから、足と羽を取るんですよ。それを空煎りして、砂糖と醤油と酒で煎り煮にします。旬は9月から10月にかけてになります。戦中戦後の食糧難では、これで腹を満たしていたそうです。いまは道の駅や土産の店に並んでいるんですよ。田を守ることと、腹を満たすことが、同じ手つきで済んでいました。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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