磯部温泉の温泉マークを、はじめて地図で見たとき、あのシンボルがここから生まれたのかと、ちょっとおどろいた記憶がある。記号ひとつに歴史がたたまれているって、いいんですよね。
碓氷峠の険しさは、中山道の宿場町として松井田宿が栄えた理由でもあって、峠を越えることのたいへんさが、この土地の暮らしをずっとかたちづくってきたんだなあ、と思う。横川駅のホームで売られている峠の釜めしを手にすると、その重さがすこしわかる気がする。
碓氷峠鉄道文化むらには、かつて急勾配を登り降りしたEF63機関車が残っていて、鉄道と峠がどれほど深く結びついていたかを、屋外でじかに見られるんです。アプトの道を歩いて峠の湯まで抜けるルートは、ふだんの散歩のついでにしては、すこし大げさなくらいの手応えがある。
熊野皇大神社は、群馬県側と長野県側にまたがって社殿が建っているという、ちょっとふしぎな場所で、県境という概念がここでは地に足のついた話になっている。製糸の歴史や、日本でも数少ない碓氷製糸農業協同組合の工場が今も動いていることも、この土地が「昔話」ではなく、現役の積み重ねで成り立っていることを教えてくれる。
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一日では、たぶん足りない。
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