温泉
この場所の物語
霧の中に、ひっそりと湯けむりが立っているんです。標高1,200メートル、白鳥山やえびの岳に囲まれたこの場所は、九州でいちばん高いところにある温泉地なんだなあ、と浸かりながらふと思うんです。炭酸水素塩の湯はやわらかく、神経やからだの深いところにじんわりとしみこんでくる感じがする。
えびの高原荘に泊まると、夜の静けさがふだんの生活とは全然ちがって、耳がびっくりするくらいです。長く滞在する人にとっては、高原の時間がゆっくり流れることが、ここでいちばん大事なことかもしれない。生活の拠点として考えると、ちょっと不便な部分もあるけれど、その不便さもこの場所の素の表情なんですよ。
訪日客には、日本の野趣というものをそのまま体で感じられる、まれな場所だと思います。歩くたびに足元の草や風が変わって、ここにしかない時間があるんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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