温泉
この場所の物語
河原を掘ると、湯が湧いてくる。そういう土地なんです、ここは。奈良の奥、十津川村の山あいに細く流れる上湯川のそばで、享保のころからひっそりと湯が使われてきた。76度という熱い源泉は、ナトリウム炭酸水素塩泉。それが100%掛け流しで浴槽に注がれているんだなあ。
神湯荘に泊まって、川音を聞きながら浸かっていると、時間のながれがすこしゆっくりになる気がするんです。長く滞在する人には、この「何もしなくていい静けさ」がじわじわとうれしくなってくる。生活の拠点としては交通がたっぷり不便で、それがそのまま、場所の素の表情になっている。
河原の湯は野湯からかたちを変えて今もそこにあって、訪日客には「湯が地面から湧く」という感覚そのものが、ふしぎな体験になるでしょう。歩いてみると、川と湯と山だけがある、という場所だとわかります。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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