温泉
この場所の物語
ダム湖の水面が、山の影をそっと映している。そういう場所に、この湯はあるんです。元禄のころから湧いていた湯が、ダム建設によって湖畔のいまの場所に引っ越してきた——そんなちょっとふしぎな来歴を、十津川温泉は静かに持っています。
ナトリウム炭酸水素塩泉の湯はやわらかく、肌にすうっとなじむかんじがして、浸かっているとふだんの時間の流れ方が変わってくるんだなあ。6軒の旅館と温泉民宿が点在していて、長く泊まるのにちょうどいい、ゆるやかな規模感があるんです。
共同浴場もあるから、歩いてふらっと湯に入れるのも、生活拠点として考えたときにうれしいところ。すべて100%源泉掛け流しという宣言は、日本の湯文化の芯みたいなものを訪日客に伝えるのに、言葉よりも正直です。バスで何時間もかけてたどり着く、その遠さごと、この場所の手触りになっている。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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