温泉
この場所の物語
湯の色がふしぎなんです。エメラルドグリーンという言葉がぴったりくる硫黄泉が、阿賀野川のほとりに静かに湧いている。安政の頃からこの地面の下にはお湯が眠っていて、実際に温泉街として歩けるようになったのは昭和三十年代のこと。
咲花館という宿が最初にできて、それから少しずつ、六軒ほどの旅館が川沿いに並んだんだなあ。大きな資本が入ってこなかったぶん、ふだんの暮らしの延長のような空気がそのまま残っているんです。JR磐越西線の咲花駅を降りたらもう温泉街で、「浸かる」と「歩く」のあいだにほとんど距離がない。
高床式のウッドデッキから川を眺める時間は、泊まる日数が長くなるほどじわじわとよくなる種類のものです。多拠点の暮らしの中で「ちょっと静かなところへ」という選択肢に、ここはすっと入ってくる。訪日の旅人には、色のついた硫黄泉と川の景色という組み合わせが、ことばを超えてわかりやすい体験になるんですよ。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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