温泉
この場所の物語
渓谷の底から、水音がたえず聞こえてくるんです。垂玉川の流れと、金龍の滝の落ちる音が混ざって、時間のかんじがすこし変わってくる。そういう場所なんですよ、垂玉温泉は。阿蘇山の西斜面をくだった峡谷の奥に、江戸時代の末からひっそりと湯が湧いていて、その長い時間が地面のどこかにしみこんでいる気がします。
2016年の地震で傷ついて、それでも5年かけて瀧日和として戻ってきた。その経緯を知ると、浸かるという行為がちょっとちがって感じられるんだなあ。長期滞在や多拠点生活の拠点としては、交通の便が限られているぶん、ふだんの速さから遠ざかれる場所です。
訪日客にとっては、滝のすぐそばで歩いて、湯に入るという体験が、ここでしか重ならない固有のものになる。観光というより、静かに地面と向きあう時間、とでも言えばいいのかな。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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