漬物・発酵
兵庫県 神戸市
イカナゴのくぎ煮
さちとあじ · FOOD & DRINK
玉筋魚の稚魚を醤油と生姜で煮る。春の初めに、家じゅうが同じ匂いになる。
この場所の物語
醤油の焦げる匂いがしてくると、春が来ます。漁が解禁になるのは2月の終わりから3月の初めで、そのころ、兵庫県の神戸から明石にかけての町は、どこの家からも同じ匂いがするんですよ。淡路のほうへ行っても、やはり同じ匂いがします。
玉筋魚の稚魚を、醤油と砂糖と生姜で煮つめます。炊き上がると茶色くねじれて、錆びた古釘のように見える。名前のほうは、その形から来ているのだそうです。魚の名を知らない人でも、見れば分かってしまうんですよね。
もとは、漁師の家だけで作られるものでした。家庭で広く作られるようになったのは、昭和40年代からだそうです。漁協が出した作り方をもとに、味を家庭向きに直した人たちがいました。広まったのは、1980年ごろからだそうです。同じ日に、同じ町の台所で、同じものをいっせいに煮るわけです。そういう日が、年に一度だけあるんですよ。匂いで季節が変わるというのは、なかなかありません。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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