池の底で、錦鯉がゆっくりと向きを変える。その動きを眺めていると、この町にはものを育てることへの、長くて深いこだわりがあるんだなあ、と気づくんですよね。
信濃川が南北に流れ、東西を丘陵に抱かれた盆地の地形の中で、小千谷縮の機を織る音も、清酒「長者盛」を仕込む手つきも、どこか同じ呼吸をしているように見える。宿場町だった頃の面影が、ふだんの暮らしの奥にひっそりと残っていて、それが町全体の落ち着きになっているんだと思う。
2024年に複合施設「ホントカ。」の中に移った小千谷市立図書館には、西脇順三郎記念室があって、本を読みながらすこし長く滞在したくなるぐあいに整っている。魚沼神社の境内に立つ阿弥陀堂は、国の重要文化財に指定されていて、三国街道を行き交った人たちがずっと見上げてきた建物が、いまも静かにそこにある。
9月上旬の片貝まつりになると、正四尺玉の花火が夜空に放たれて、それはもう、音でも光でも説明しきれないような体験になる。花火の夜だけじゃなく、12月31日の浅原神社の除夜の花火108発も、この町が祭りと共に一年を刻んでいることを、ちゃんと教えてくれるんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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